佛立開導日扇聖人御教歌
「菩薩とは在家出家にかかはらず 人を助くる人をいふ也」
僧侶もご信者も人を助ける心がなければ、人として劣った者であるとお示しの御教歌です。
仏は、宗教人として、また社会人として一人前になるため四無量心という心を持たなくてはならないと説かれています。これは…
【慈】どのようにしたら、自分をとりまく人々を幸せにできるかを常に考える。
【悲】人々の不幸、苦しみを自分の手で如何に除去できるか。
【喜】相手が幸せになることが、自分にとって最高の喜びであると心に言い聞かせ、他人の喜びを我が喜びとする。
【捨】世の中の全ての人は平等であって、苦しんでよい人、不幸せであって当然の人はないから、とぼしい物も分けあって、小欲知足の生活をするという事です。
この為に、まず怒らない、相手を傷つけない、ヤキモチを焼かない、そして自分独り占めにしないことが大事といわれています。
この事が家庭にあっても、職場にあっても、巧まず実践できれば、必ず人の信頼を得て、人中の太陽になることができるでしょう。
捨無量心の一つをとっても、ご信者の中には、生活の苦しい人、病気がちな人、年をとった人、沢山あるのですから、おいしい物を食べる時にはあの人にもと考えて、手近なところからお稽古をしてみようではありませんか。
(前進 昭和59年4月号より)